日本のダート競馬は芝競馬と異なり、パワーと持続力が重要とされ、特定の血統が強く影響を与えています。
こちらの記事では、日本競馬におけるダート適性の血統について解説しますので、競馬予想の参考にしてください。
日本のダート競馬に適性のある血統の特徴
ダート競馬で活躍するためには、以下のような特徴が血統的に求められます。
パワーとストライドの適性
日本のダートコースは、芝よりもクッション性が低く、地面に足を取られやすいため、瞬発力よりも持続的な加速力が求められます。
そのため、「パワー型ストライド」の馬が有利になります。パワー型ストライドの特徴としては、背中が短めで、前肢のかき込みが強いです。
ほかにも、筋肉量が多く、しっかりと地面を蹴れる特徴があります。さらに、芝のような瞬発力よりも持続的にスピードを維持できます。
この特徴を持つ馬は、米国型のダート血統に多く見られます。
スタミナと持続力
ダート戦では、スピードの持続力が重要になります。
特に、1800m以上のレースでは、スローペースで流れ、ラスト600mからのロングスパートに対応できるスタミナ血統が求められます。
スタミナ型血統の特徴としては、A.P. Indy系、ボールドルーラー系、ロベルト系がスタミナの要素です。
さらに、母系にスタミナ型の欧州血統が入るとより強固になります。
前脚の強さと踏み込み
ダートでは芝と異なり、地面が「柔らかく沈み込む」ため、馬の脚力が試されます。
特に、前脚の踏み込みの強さが求められ、ダート馬は前肢が発達していることが多いです。
前肢が強い血統としては、フレンチデピュティ系、サウスヴィグラスです。
フレンチデピュティ系の馬は、JRAのダートより地方競馬の深い砂に強い傾向があり、重馬場や不良馬場でも対応できます。
日本のダートで成功している血統
日本のダート競馬では、特定の種牡馬が高い適性を示しています。
そのような系統の一部を紹介します。
サンデーサイレンス系
ダート適性のあるサンデー系種牡馬
・ゴールドアリュール
日本のダート競馬を席巻した名種牡馬。フェブラリーSやチャンピオンズCなどG1勝ち馬多数。
代表産駒: エスポワールシチー、コパノリッキー、スマートファルコン
・オルフェーヴル
クラシック三冠馬で荒れた馬場でも力を発揮できた現役時代
凱旋門賞2着とスピードとパワーと兼ね備えた競走馬
代表産駒: ウシュバテソーロ
・リアルスティール
現役時代はクラシック無冠に終わったものの海外競馬で初G1制覇をした競走馬
安定した成績を残していますが、ダートは未出走でした。
母系が影響しているのか産駒ではダート成績が良好です。
代表産駒:フォーエバーヤング
ミスタープロスペクター系
この系統は米国血統の影響を受け、スピードとパワーを兼ね備えた馬が多い。
代表的なミスプロ系種牡馬
・キングカメハメハ
現役時代はNHKマイルCと日本ダービーの変則2冠馬
ダート・芝の両方で適性を示す万能型の種牡馬
代表産駒: ホッコータルマエ
・ロードカナロア
現役時代はスプリント戦で無類の強さを誇っていた。
本来は芝向きだが、ダートでも好成績を残す産駒を出しています。
代表産駒:レッドルゼル
・ドゥラメンテ
クラシック2冠を達成した名馬。
パワーがあるため、産駒からはダートで活躍する馬を輩出している
代表産駒: ドゥラエレーデ
ボールドルーラー系
米国競馬で主流の系統で、日本のダート競馬にも影響を与えています。
代表的なボールドルーラー系種牡馬
・マジェスティックウォリアー
現役時代はアメリカで出走していましたが、目立った成績を残せていませんでした。
日本ダートに合う血統のようで産駒ではコンスタントに活躍馬を輩出しています。
代表産駒: ベストウォーリア
・シニスターミニスター
現役時代はアメリカで2勝と目立った成績はありませんでした。
スピードとパワーを兼ね備えた中距離向きのダート種牡馬です。
代表産駒: テーオーケインズ
・パイロ
アメリカで中距離を中心に活躍した競走馬です。
ダートの活躍馬を幅広く輩出しています。
代表産駒:メイショウハリオ
ダートで狙える種牡馬
ダートのレースで成績がよい種牡馬を紹介します。
予想をする際の参考にしてください。
順位 | 種牡馬名 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1 | ドレフォン | 11.00% | 19.70% | 28.60% |
2 | シニスターミニスター | 10.70% | 20.00% | 28.70% |
3 | キズナ | 10.60% | 19.20% | 27.50% |
4 | キングカメハメハ | 10.30% | 19.80% | 27.10% |
5 | ヘニーヒューズ | 10.10% | 19.90% | 28.50% |
6 | ドゥラメンテ | 9.90% | 18.60% | 25.90% |
7 | ディープインパクト | 9.20% | 14.90% | 21.20% |
8 | ロードカナロア | 9.10% | 16.40% | 24.00% |
9 | ハーツクライ | 9.00% | 17.10% | 24.80% |
10 | モーリス | 8.70% | 15.90% | 22.50% |
回収率100%超
種牡馬名 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
カリフォルニアクローム | 103% | 102% |
ヴァンセンヌ | 259% | 100% |
AmericanPharoah | 204% | 97% |
トビーズコーナー | 127% | 97% |
ダノンレジェンド | 110% | 95% |
シニスターミニスター | 103% | 91% |
芝とは違いミスプロ系やノーザンダンサー系のアメリカ血統が目立ちます。
主流血統とは違うため、馬券を組み立てる目安になりそうです。
まとめ
最近では、米国血統の影響が再び強まり、特にヘニーヒューズ、シニスターミニスター、マジェスティックウォリアーなどの種牡馬がダート界を席巻しています。
また、JRAだけでなく地方競馬(大井や船橋)でもゴールドアリュールやフレンチデピュティの血統が活躍しており、ダート馬を予想する際には、父系の影響だけでなく、母系にボールドルーラーやA.P. Indyの血が入っているかも重要です。
日本のダート競馬は、今後もアメリカ型血統を中心に進化していくと考えられます。
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