競馬の母父とは?母父の重要性と傾向を解説

競馬の血統における「母父」とは、馬の母親の父親、つまり「母の父」を指します。英語では「Broodmare Sire」とも呼ばれます。

通称でBMSと表現されることが多いです。現代の競馬において母父は重要な要素になっています。

その母父について解説しますので、参考にしてください。

競馬における母父とは?

母父とは母方の祖父のことを指します。

競馬では祖父という表現をしないのは、父系と母系に分けて考えるためです。

母父の読み方については、一般的に「あもしし」や「おもちち」と読みますが、競馬関連では「ははちち」と読むことが多くなっています。

競馬では、父だけでなく母父からの影響も大きくなっており、父と母父の相性によって能力が決まるといっても過言ではありません。

代表的な母父の系統と特徴

代表的な母父の系統を紹介します。

サンデーサイレンス(SS)系

代表馬:ディープインパクト、ステイゴールド、スペシャルウィーク

母父としても優秀で、スピードと瞬発力に優れた馬を生みやすい

ディープインパクト産駒の母父にサンデーサイレンスが入ることが多いため、代を重ねるとサンデークロスが発生する

ノーザンダンサー系

代表馬:キングヘイロー、クロフネ、ハービンジャー

スピード・パワー・成長力に優れた馬を生む傾向がある

欧州血統と日本の血統の融合にもよく使われる

ミスタープロスペクター(Mr. Prospector)系

代表馬:キングカメハメハ、エンパイアメーカー、ルーラーシップ

パワーとスピードに優れる馬が多く、ダート適性の高さも特徴

日本ではキングカメハメハが母父として優秀

ロベルト(Roberto)系

代表馬:ブライアンズタイム、シンボリクリスエス

タフさと持続力に優れた競走馬を生みやすい

日本の芝・ダートの両方で結果を出すことができる

近年の母父傾向

現在の競馬では「母父の影響を活かす」ことが重要になっています。種牡馬の系統が限られているため、母父のバリエーションが競争力のある競走馬を生み出す鍵となっています。

例えば、日本競馬で成功した馬には以下のような母父の影響が見られます。

イクイノックス(父キタサンブラック × 母父キングヘイロー)
母父キングヘイローの影響でスピードと瞬発力が強化

コントレイル(父ディープインパクト × 母父アンブライドルズソング)
母父がアメリカ血統(ミスプロ系)で、スタミナとスピードのバランスが取れた

エフフォーリア(父エピファネイア × 母父ハーツクライ)
母父ハーツクライの影響で、成長力と底力を強化

2024年リーディングサイアーのキズナの母父について分析

2024年のリーディングサイアーに輝いたキズナの母父について分析してみます。
勝利数をまとめた表を作成しましたので、参考にしてください。

順位 母父馬 勝利数 勝率 連対率 複勝率
1 キングカメハメハ 47 12.10% 21.80% 31.30%
2 シンボリクリスエス 33 16.80% 29.90% 37.60%
3 クロフネ 30 9.50% 18.30% 25.90%
4 フレンチデピュティ 21 11.90% 22.60% 33.30%
5 ガリレオ 19 15.30% 21.80% 31.50%
6 ウォーエンブレム 16 10.50% 16.30% 26.80%
7 ボストンハーバー 15 14.70% 42.20% 51.00%
8 キングヘイロー 15 18.30% 29.30% 36.60%
9 アフリート 14 10.00% 13.60% 27.10%
10 アグネスデジタル 10 16.70% 31.70% 46.70%

勝利数はキングカメハメハが多いですが、勝率になるとシンボリクリスエスが高いです。

キングカメハメハを除くとノーザンダンサー系が相性良さそうに見えます。

まとめ

母父は競走馬の特徴や適性に大きな影響を与え、父との血統の相性(ニックス)が重要な要素となります。

特に、スピードとスタミナのバランスを取る役割を果たし、馬の成長力や気性にも影響を及ぼします。

近年では種牡馬の血統が限られているため、母父のバリエーションが競走力を高める鍵となっています。

優秀な母父を持つ馬は、競馬の予想や血統分析においても重要な要素となり、血統の奥深さをより楽しめる要因の一つになっています。

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