競馬初心者向け:母父(ブルードメアサイアー)の意味と重要性をわかりやすく解説

血統

競馬の血統における「母父」とは、馬の母親の父親、つまり「母の父」を指します。英語では「Broodmare Sire」とも呼ばれます。

通称でBMSと表現されることが多いです。現代の競馬において母父は重要な要素になっています。

その母父について解説しますので、参考にしてください。

母父(ブルードメアサイアー)とは?

母父の位置

 

母父とは母方の祖父のことを指します。

競馬では祖父という表現をしないのは、父系と母系に分けて考えるためです。

母父の読み方については、一般的に「あもしし」や「おもちち」と読みますが、競馬関連では「ははちち」と読むことが多くなっています。

競馬では、父だけでなく母父からの影響も大きくなっており、父と母父の相性によって能力が決まるといっても過言ではありません。

母父が競馬で重要視される理由

競馬において「母父(ブルードメアサイアー)」は、馬の能力や特性を予測するうえで重要な要素とされています。

母の父、つまり祖父にあたる馬の血統が、現役競走馬の気性や距離適性、ダート・芝の適応力などに影響を与えるケースが多くあるからです。

たとえば、スピード型の母父を持つ馬は短距離レースに強く、スタミナ型の母父なら長距離に向いている傾向があります。

また、母父の血統は「表には出にくいけれど、地味に効く遺伝的な力」とも言われ、派手な父系とは違った角度から馬の能力を読み解くヒントにもなります。

近年では、ディープインパクト系やキングカメハメハ系のように父としてだけでなく「母父としても成功している種牡馬」が注目されるようになり、POGや一口馬主の世界でも母父の血統を重視して馬を選ぶ人が増えています。

このように、母父の情報を読み解くことで、レースの予想精度を上げたり、未来のスター馬を見抜いたりする手がかりになるのです。

代表的な母父の系統と特徴

代表的な母父の系統を紹介します。

サンデーサイレンス(SS)系

代表馬:ディープインパクト、ステイゴールド、スペシャルウィーク

母父としても優秀で、スピードと瞬発力に優れた馬を生みやすいです。

ディープインパクト産駒の母父にサンデーサイレンスが入ることが多いため、代を重ねるとサンデークロスが発生するため、気性難になることがあります。

ノーザンダンサー系

代表馬:キングヘイロー、クロフネ、ハービンジャー

スピード・パワー・成長力に優れた馬を生む傾向がある競走馬が多いです。

欧州血統と日本の血統の融合にもよく使われています。

ミスタープロスペクター(Mr. Prospector)系

代表馬:キングカメハメハ、エンパイアメーカー、ルーラーシップ

パワーとスピードに優れる馬が多く、ダート適性の高さも特徴です。

日本ではキングカメハメハが母父として優秀になっており、クラシック路線でも活躍しています。

ロベルト(Roberto)系

代表馬:ブライアンズタイム、シンボリクリスエス

タフさと持続力に優れた競走馬を生みやすいです。

日本の芝・ダートの両方で結果を出すことができます。

母父の影響が大きかった代表的な競走馬

現在の競馬では「母父の影響を活かす」ことが重要になっています。種牡馬の系統が限られているため、母父のバリエーションが競争力のある競走馬を生み出す鍵となっています。

例えば、日本競馬で成功した馬には以下のような母父の影響が見られます。

イクイノックス(父キタサンブラック × 母父キングヘイロー)
母父キングヘイローの影響でスピードと瞬発力が強化
コントレイル(父ディープインパクト × 母父アンブライドルズソング)
母父がアメリカ血統(ミスプロ系)で、スタミナとスピードのバランスが取れた
エフフォーリア(父エピファネイア × 母父ハーツクライ)
母父ハーツクライの影響で、成長力と底力を強化

2024年リーディングサイアーのキズナの母父について分析

2024年のリーディングサイアーに輝いたキズナの母父について分析してみます。
勝利数をまとめた表を作成しましたので、参考にしてください。

順位 母父馬 勝利数 勝率 連対率 複勝率
1 キングカメハメハ 47 12.10% 21.80% 31.30%
2 シンボリクリスエス 33 16.80% 29.90% 37.60%
3 クロフネ 30 9.50% 18.30% 25.90%
4 フレンチデピュティ 21 11.90% 22.60% 33.30%
5 ガリレオ 19 15.30% 21.80% 31.50%
6 ウォーエンブレム 16 10.50% 16.30% 26.80%
7 ボストンハーバー 15 14.70% 42.20% 51.00%
8 キングヘイロー 15 18.30% 29.30% 36.60%
9 アフリート 14 10.00% 13.60% 27.10%
10 アグネスデジタル 10 16.70% 31.70% 46.70%

勝利数はキングカメハメハが多いですが、勝率になるとシンボリクリスエスが高いです。

キングカメハメハを除くとノーザンダンサー系が相性良さそうに見えます。

POGや馬券購入で母父を活用する方法

母父(ブルードメアサイアー)の血統情報は、POG(ペーパーオーナーゲーム)や実際の馬券購入において、馬の特徴や将来性を見極めるための重要なヒントになります。

POGでの活用法

POGでは、2歳馬の将来性や育成過程を見て「どの馬を指名するか」を判断します。

その際、父系だけでなく母父の血統を見ることで、より正確な見立てが可能です。

たとえば、父がディープインパクト系でも、母父がパワー系のダート血統であれば「芝よりダートで活躍するかも」と予想できます。

また、スピード型の母父なら早期デビューしやすく、POG的にもポイントが稼ぎやすい傾向があります。

馬券予想での活用法

馬券を買う際にも、母父の血統を知っておくと「馬場適性」や「距離適性」を予測しやすくなります。

たとえば、重馬場に強い血統を母父に持つ馬は、雨天のレースで狙い目になりますし、母父がダート巧者であれば、芝→ダート替わりで一変する可能性も考えられます。

特に近年は「母父が名種牡馬」という馬が好走するケースが増えており、父系だけで予想するよりも、一歩深く馬の素質を探る材料です。

このように、POGでも実際のレースでも、母父の特徴を知っておくことで、馬選びやレース予想において他の人と差をつけることができるのです。

まとめ

母父は競走馬の特徴や適性に大きな影響を与え、父との血統の相性(ニックス)が重要な要素となります。

特に、スピードとスタミナのバランスを取る役割を果たし、馬の成長力や気性にも影響を及ぼします。

近年では種牡馬の血統が限られているため、母父のバリエーションが競走力を高める鍵となっています。

優秀な母父を持つ馬は、競馬の予想や血統分析においても重要な要素となり、血統の奥深さをより楽しめる要因の一つになっています。

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