【2025年最新版】競馬×血統の基礎:キホンのキから応用まで完全解説

血統のアイキャッチ 競馬初心者向け

競馬の血統は競馬予想や一口馬主、POGにも重要な要素になっています。

血統を知ることで競馬の幅が広がること間違いありません。

こちらの記事では競馬の血統についてできる限り詳しく解説していきますので、参考にしてください。

血統とは?

血統とは、競走馬の祖先(血筋)のことです。

競走馬の能力は遺伝的要素に大きく影響されるため、どのような血統を持つかは重要な要素になります。

競馬では「父馬×母馬」という形で血統が表記され、父方の影響が強いとされますが、母や母の父の血統も重要視されます。

キタサンブラックの血統表を見てみます。

ブラックタイド
(父)
サンデーサイレンス
(父父)
Halo(父父父)
Wishing Well(父父母)
ウインドインハーヘア
(父母)
Alzao(父母父)
Burghclere(父母母)
シュガーハート
(母)
サクラバクシンオー
(母父)
サクラユタカオー(母父父)
サクラハゴロモ(母父母)
オトメゴコロ
(母母)
ジャッジアンジェルーチ(母母父)
テイズリー(母母母)

こちらは3代前までの表になりますが、上部が父系、下部が母系と呼ばれています。

母系の中でも母父と母母に分けて考えることが多いです。

血統の「父系」「母父」「母母父」ってどう違う?

父系とは、サイアーラインとも言われています。

競走能力を強く伝える傾向があり、スピード型・スタミナ型・先行型などが出やすい特徴があります。競馬の血統を表すのに1番重要な系統です。

母父は、ブルードメアサイアーと言われています。バランスを整える存在になっており、芝・ダート適性や気性面の指標として見られることが多いです。

母母父は、マターナルグランサイアーとも言われています。安定感や育成力に関わるとされ、POGなどでは注目されることも増えています。母系はスタミナ補完にも重要視されています。

このように、父系と母系は影響の仕方が違うため、どのような特徴があるのかを覚えておくことで予想やPOGに役に立つこと間違いありません。

母父(ブルードメアサイアー)について詳しく知りたい方は>>コチラ<<の記事をチェック

血統の重要性

競馬を語るのに血統は非常に重要です。

今までの血筋の歴史はもちろん、父や母の戦績から見る適性など、血統から導ける傾向は多岐にわたります。

その中でも血統によって影響することが多い要素を記載しますので、参考にしてください。

スピードとスタミナ

スピードとスタミナも血統から推測することができます。

あくまでも血統は目安で絶対ではないので、競馬予想やPOGのひとつの要素として考えてください。

短距離向き(スプリンター)

スピードを重視した血統で1000m~1400mの距離を得意とする血統です。

代表的な種牡馬はロードカナロア、モーリス、ビッグアーサーなどです。

例としてロードカナロアの血統表を見てみましょう。

キングカメハメハ
(父)
Kingmambo
(父父)
Mr.Prospector(父父父)
Miesque(父父母)
マンファス
(父母)
ラストタイクーン(父母父)
Pilot Bird(父母母)
レディブラッサム
(母)
Storm Cat
(母父)
Storm Bird(母父父)
Terlingua(母父母)
サラトガデュー
(母母)
Cormorant(母母父)
Super Luna(母母母)

父は日本ダービーとNHKマイルCを制したキングカメハメハで母は芝、ダート両方の短距離で勝利経験のある競走馬です。

母父のStorm Catはアメリカでダート短距離で活躍した競走馬になっており、父系というよりも母系が短距離に向いている血統になっています。

長距離向き(ステイヤー)

スタミナに優れた血統で2500m以上の距離を得意とする血統です。

代表的な種牡馬はゴールドシップ、キズナ、シルバーステートです。

例としてゴールドシップの血統表を見てみましょう。

ステイゴールド
(父)
サンデーサイレンス
(父父)
Halo(父父父)
Wishing Well(父父母)
ゴールデンサッシュ
(父母)
ディクタス(父母父)
ダイナサッシュ(父母母)
ポイントフラッグ
(母)
メジロマックイーン
(母父)
メジロティターン(母父父)
メジロオーロラ(母父母)
パストラリズム
(母母)
プルラリズム(母母父)
トクノエイティー(母母母)

父は中距離~長距離で長年活躍したステイゴールドになっており、母父も中距離~長距離で非常に強かったメジロマックイーンです。

母と母母は短距離で勝利経験があるだけですが、おそらく影響が少なくなっています。

中距離向き(万能型)

バランスの取れた血統で1600m~2400mの距離を得意とする血統です。

今の日本競馬はこちらの距離が主流になっているため、多くの馬が中距離を視野に入れて生産されています。

代表的な種牡馬は、エピファネイア、キタサンブラック、ドゥラメンテです。

例としてエピファネイアの血統表を見てみましょう。

シンボリクリスエス
(父)
Kris S
(父父)
Roberto(父父父)
Sharp Queen(父父母)
Tee Kay
(父母)
Gold Meridian(父母父)
Tri Argo(父母母)
シーザリオ
(母)
スペシャルウィーク
(母父)
サンデーサイレンス(母父父)
キャンペーンガール(母父母)
キロフプリミエール
(母母)
Sadler’s Wells(母母父)
Querida(母母母)

父は天皇賞秋と有馬記念を連覇しているシンボリクリスエス、母はオークスとアメリカンオークスを勝ったシーザリオです。

母父はスペシャルウィークになっており、こちらの馬も中距離を舞台に活躍しました。

このように中距離を得意とする種牡馬は、スピードとスタミナのバランスがよい配合になっています。

馬場適性

馬場適性も血統背景が影響することが多いです。

芝コースとダートコースによる違いや良馬場と重馬場による違いも血統傾向があります。

芝コース向き

芝コース向きの血統は主にサンデーサイレンス直系が多くなっており、速い上がりが使えるのが特徴です。

ほかにもキングカメハメハ系やロベルト系が多くなっています。

代表的な種牡馬はキズナ、ロードカナロア、エピファネイアです。

わかりやすいのはエピファネイアで、ダートの要素が少ない血統表になっています。

シンボリクリスエス
(父)
Kris S
(父父)
Roberto(父父父)
Sharp Queen(父父母)
Tee Kay
(父母)
Gold Meridian(父母父)
Tri Argo(父母母)
シーザリオ
(母)
スペシャルウィーク
(母父)
サンデーサイレンス(母父父)
キャンペーンガール(母父母)
キロフプリミエール
(母母)
Sadler’s Wells(母母父)
Querida(母母母)

ダートコース向き

ダートに適性がある血統は、現役時代もダートを得意としていた種牡馬が多いですが、芝コースを得意していたけど、産駒はダートを得意とする種牡馬も存在します。

現役時代は芝コース向きでしたが、産駒がダートを得意とする種牡馬はドゥラメンテやリアルスティールです。

代表的なダート適性のある種牡馬は、ドレフォン、シニスターミニスター、ダノンレジェンドです。

ダート向きの血統でわかりやすのはシニスターミニスターになります。

Old Trieste
(父)
A.P.Indy
(父父)
Seattle Slew(父父父)
Weekend Surprise(父父母)
Lovlier Linda
(父母)
Vigors(父母父)
Linda Summers(父母母)
Sweet Minister
(母)
The Prime Minister
(母父)
Deputy Minister(母父父)
Stick to Beauty(母父母)
Sweet Blue
(母母)
Hurry Up Biue(母母父)
Sugar Gold(母母母)

すべてアメリカのダート向き血統になっています。

成長タイプ

成長タイプも血統背景が影響する要素のひとつです。

大きく分けて早熟タイプと晩成タイプがあります。

早熟型

早熟タイプは、2歳や3歳時に活躍する産駒が多いですが、4歳以降の成績が伸び悩むタイプです。

日本ダービーを目指すには早熟タイプの種牡馬がよいと言われています。

代表的な種牡馬はキズナ、ロードカナロア、リアルスティール

2020年~2024年のキズナ産駒2歳~3歳と4歳以降の勝率を見てみます。

キズナ産駒成績 芝勝率 ダート勝率 全勝率
2歳~3歳 12.50% 11.50% 12.10%
4歳以降 7.50% 8.70% 8.60%

約4%くらい勝率が違います。
このように種牡馬によって成長タイプが違うため、成長の傾向をみることも重要です。

晩成型

晩成タイプは4歳以降に本格化し、活躍する産駒が多いです。

ダート適性がある馬が晩成タイプに多くなっています。

2歳、3歳にダートレースが少ない影響もある可能性が高いので、鵜呑みにはできません。

データだけで見ると晩成型の種牡馬は、主にコパノリッキー、アジアエクスプレス、パゴです。

2020年~2024年のパゴ産駒の2歳~3歳と4歳以降の勝率を見てみましょう。

パゴ産駒成績 芝勝率 ダート勝率 全勝率
2歳~3歳 4.90% 2.70% 4.10%
4歳以降 8.50% 6.80% 8.60%

倍近く4歳以降のほうが勝ち切れています。

代表的な血統

競馬では、特に父方の血統が重視され、優れた種牡馬の系統(サイアーライン)が重要視されます。

サンデーサイレンス系

日本競馬で最も成功した血統です。

スピードと瞬発力が特徴になっており、さまざまな名馬を輩出しています。

2025年現代も色濃く影響を与え続けています。

代表馬: ディープインパクト、ハーツクライ、ステイゴールド など

サンデーサイレンスについて詳しく知りたい方は>>コチラ<<の記事をチェック

ノーザンダンサー系

世界的に影響力のある血統です。

パワーとスピードを兼ね備えており、幅広い距離で活躍馬を輩出しています。

日本では、Danzig系のハービンジャーが有名です。

代表馬: ダンジグ、サドラーズウェルズ など

ノーザンダンサーについて詳しく知りたい方は>>コチラ<<の記事をチェック

ミスタープロスペクター系

短距離〜中距離向きの系統です。

ダートや芝の両方で活躍する競走馬を輩出しています。

日本ではキングカメハメハ系が広まっています。

代表馬: キングカメハメハ、エーピーインディ など

キングカメハメハについて詳しく知りたい方は>>コチラ<<の記事をチェック

ボールドルーラー系

パワー型でダート適性が高い系統です。

ダート路線で活躍している馬が多い系統となっています。

ダノンデサイルの母父がボールドルーラー系なので、ブルードメアサイアーとして注目されています。

代表馬: シニスターミニスター、パイロ など

母系(牝系)

母系は競走成績だけでなく、繁殖能力も重要視されます。「名牝」と呼ばれる優れた繁殖牝馬は、多くの名馬を輩出します。

代表的な名牝

・ウインドインハーヘア(ディープインパクトの母)

・アーバンシー(ガリレオ、シーザスターズの母)

・エアグルーヴ(アドマイヤグルーヴ、ルーラーシップの母、ドゥラメンテの祖母)

・シーザリオ(エピファネイア、サートゥルナーリア、リオンディーズの母)

日本競馬における血統の流れ

・1990年代までは欧米の種牡馬が主流

・1990年代後半からサンデーサイレンス産駒が圧倒的な影響を持つ

・2000年代以降は、ディープインパクト・キングカメハメハなどの血統が中心

・近年はサンデー系の血が飽和し、ノーザンダンサー系やミスプロ系との交配が進む

血統を活かした馬券戦略

父系の特徴を理解し、得意なレースを狙うことで馬券戦略になります。

例えば、ディープインパクト産駒は広いコースの芝中距離向きなので、東京や阪神などの中距離コースの場合は軽視は禁物です。

条件が違う小回りのローカルコースだとディープインパクト系はあまり得意ではないため、ほかの産駒を狙うことで穴馬を探すこともできます。

また、母系のスタミナや成長力もチェックすると3歳で初距離の時に役に立ちます。

2025年のダイヤモンドステークスを勝ったへデントールは母父ステイゴールドで、母も中長距離を中心に走っていました。

母母はダートの1800mを得意としており、母系のスタミナが豊富という背景が見て取れます。

さらに、適性に合った馬場を考慮することで高配当を取れることもあるため、重馬場に強い血統を知っておくとよいです。

まとめ

競馬において血統とは、馬の個性や能力を事前に読み解くための“設計図”です。

父系・母系・インブリードのバランスを見ることで、より深く馬の適性を理解できます。

初心者の方は、まずは好きな馬の血統表を見て、親馬にどんな特徴があるかを調べることから始めてみましょう。

血統を学べば、予想がもっと楽しく、もっと深くなります。

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