競馬のニックスとは?ニックス配合の予想に使える傾向を解説

血統

競馬を楽しむうえで「血統」は欠かせない要素のひとつです。

レースで活躍する馬たちの多くは、優れた血統背景を持ち、世代を超えて受け継がれた能力を発揮しています。

そんな血統の中でも、特定の組み合わせによって特に優秀な競走馬が生まれることがあるのをご存じでしょうか?

それが「ニックス」と呼ばれる血統の相性です。競馬の世界では、「この父とこの母系の組み合わせは相性が良い」というデータが蓄積されており、過去の名馬たちの多くも、このニックスによって生まれています。

ニックスとは

競馬におけるニックスとは、特定の血統の組み合わせが特に良い成績を残すことを指します。

つまり、特定の種牡馬(父馬)と特定の母系(母馬の血統)の相性が特に良いとされる組み合わせのことです。

例えば、ゴールドシップの場合はステイゴールドとメジロマックイーンのニックスになります。

ステイゴールド
(父)
サンデーサイレンス
(父父)
Halo(父父父)
Wishing Well(父父母)
ゴールデンサッシュ
(父母)
ディクタス(父母父)
ダイナサッシュ(父母母)
ポイントフラッグ
(母)
メジロマックイーン
(母父)
メジロティターン(母父父)
メジロオーロラ(母父母)
パストラリズム
(母母)
プルラリズム(母母父)
トクノエイティー(母母母)

青文字が父系になっており、それと赤文字の母父系の相性がよいことをニックスといいます。

では、なぜニックスが重要なのか?

馬の能力は血統に大きく影響を受けるため、優れた競走馬を生み出すには、遺伝的な相性が良い血統の組み合わせを探すことが重要です。

ニックスの概念を利用することで、より競走能力の高い馬を生産する可能性を高められるため、競馬界では重視されています。

代表的なニックス

こちらでは、代表的なニックスを紹介します。
代表的なニックスを見ることでニックスの大切さを確認することも重要です。

サンデーサイレンス×ノーザンテースト

代表産駒は、ダイワメジャー、デュランダル、エアメサイアなどです。

短距離から中距離で活躍した馬が多くなっています。

ダイワメジャーの血統表を見てみましょう。

サンデーサイレンス
(父)
Halo
(父父)
Hail to Reason(父父父)
Cosmah(父父母)
Wishing Well
(父母)
Understanding(父母父)
Mountain Flower(父母母)
スカーレットブーケ
(母)
ノーザンテースト
(母父)
Northern Damcer(母父父)
Lady Victoria(母父母)
スカーレットインク
(母母)
Crimson Satan(母母父)
Consentida(母母母)

サンデーサイレンスとノーザンテーストどちらも日本競馬の時代を気づいた大種牡馬の組み合わせです。

サンデーサイレンス×トニービン

代表産駒は、ハーツクライ、アドマイヤグルーヴ、アドマイヤベガなどです。

母系にトニービンが入っている名馬は多くなっており、その中でもサンデーサイレンスを父に持つ馬になっています。

ハーツクライの血統表を見てみましょう。

サンデーサイレンス
(父)
Halo
(父父)
Hail to Reason(父父父)
Cosmah(父父母)
Wishing Well
(父母)
Understanding(父母父)
Mountain Flower(父母母)
アイリッシュダンス
(母)
トニービン
(母父)
カンパラ(母父父)
Seven Bridge(母父母)
ビューバーダンス
(母母)
Lyphard(母母父)
My Bupers(母母母)

サンデーサイレンスの影響でスピードと切れ味がプラスされており、中距離で活躍していました。

ステイゴールド×メジロマックイーン

代表産駒は、オルフェーヴル、ゴールドシップ、ドリームジャーニーなどです。

気性が荒いですが、それを凌ぐ競走能力が高い馬が多くなっています。

オルフェーヴルの血統表を見てみましょう。

ステイゴールド
(父)
サンデーサイレンス
(父父)
Halo(父父父)
Wishing Well(父父母)
ゴールデンサッシュ
(父母)
ディクタス(父母父)
ダイナサッシュ(父母母)
オリエンタルアート
(母)
メジロマックイーン
(母父)
メジロティターン(母父父)
メジロオーロラ(母父母)
エレクトロアート
(母母)
ノーザンテースト(母母父)
グランマスティーヴンス(母母母)

スタミナが豊富でサンデーサイレンスのスピードもあるため、中距離から長距離で活躍している競走馬が多いです。

ディープインパクト×Storm Cat

代表産駒は、キズナ、リアルスティール、ダノンキングリーなどです。

ディープインパクトの日本馬場に合う血とアメリカ血統の掛け合わせになっています。

キズナの血統表を見てみましょう。

ディープインパクト
(父)
サンデーサイレンス
(父父)
Halo(父父父)
Wishing Well(父父母)
ウインドインハーヘア
(父母)
Alzao(父母父)
Burghclere(父母母)
キャットクイル
(母)
Storm Cat
(母父)
Storm Bird(母父父)
Terlingua(母父母)
Pacific Princess
(母母)
Damascus(母母父)
Fiji(母母母)

インブリードが少なくなっており、スピードと持続力が優秀です。

ニックスの効果は絶対?

競馬の世界では、「ニックス」と呼ばれる血統の相性の良い組み合わせが注目されます。

しかし、「この血統の組み合わせなら必ず強い馬が生まれる!」と断言できるわけではありません

ニックスはあくまで統計的な傾向に過ぎず、競走馬の能力を決定する唯一の要素ではないのです。

ニックスとは、「過去のデータから、特定の種牡馬と母系の相性が良いことが統計的に示されている」ことを意味します。

しかし、統計的な相性が良いからといって、必ずしもその組み合わせから強い馬が生まれるとは限りません。

例えば、「ディープインパクト × Storm Cat」の組み合わせはキズナやリアルスティールを輩出し、大成功したニックスとされています。

しかし、同じ組み合わせの馬がすべてG1馬になっているわけではありません。むしろ、無名の馬として終わった馬も数多く存在します。

つまり、「成功する可能性が高い組み合わせ」ではあるが、「必ず成功する組み合わせ」ではないということです。

競馬予想にニックスは使える?

馬券を買う際に、「ニックスを知っているかどうか」で予想の精度が変わることがあります。

特に、「特定のコースや条件で活躍しやすい血統」を知っておくと、馬券の選択がしやすくなります。

2020年~2024年のデータで偏りのある組み合わせは、ロードカナロア×サクラバクシンオーとキズナ×シンボリクリスエスが目立っていました。

ロードカナロア
×
サクラバクシンオー
条件 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
芝1200m 28.00% 45.10% 51.20% 197% 178%
キズナ
×
シンボリクリスエス
条件 勝率 連対率 複勝回収率 単勝回収率 複勝回収率
芝1600m 34.50% 48.30% 55.20% 175% 148%

このように、特定の条件で力を発揮する組み合わせがあります。

競馬では、人気馬ばかりが勝つわけではなく、時には人気薄の馬(穴馬)が激走することがあります。

こうした穴馬を見つける際にも、ニックスの知識が役立ちます。

まとめ

競馬のニックスとは相性が良いことを指しています。競走能力の向上を目指す血統配合の重要な要素です。

しかし、統計的な傾向に過ぎないため、鵜呑みにしすぎないように注意が必要になります。

ニックスのデータを活用することで馬券の組み立てにも役に立つため、代表的なニックスを覚えておくと便利です。

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