サンデーサイレンスとは?種牡馬としての影響について解説

血統

サンデーサイレンスは日本競馬を変えたと言われている大種牡馬です。

日本競馬をやっていると1度は聞いたことがあると思います。

今はサンデーサイレンスのひ孫世代が走っており、ほとんどの競走馬にサンデーサイレンスの血が入っているといっても過言ではありません。

そんなサンデーサイレンスの種牡馬としての影響を解説していきます。

サンデーサイレンスの競走成績

生年月日:1986年3月25日
没年月日:2002年8月19日
生産国:アメリカ合衆国
父:Halo
母:Wishing Well

年月 レース名 着順 コース
1988年10月 未勝利 2着 ダート1300m
1988年11月 未勝利 1着 ダート1200m
1988年12月 条件戦 2着 ダート1300m
1989年3月 条件戦 1着 ダート1300m
1989年3月 サンフェリペハンデキャップ(G2) 1着 ダート1700m
1989年4月 サンタアニタダービー(G1) 1着 ダート1800m
1989年5月 ケンタッキーダービー(G1) 1着 ダート2000m
1989年5月 プリークネスステークス(G1) 1着 ダート1900m
1989年6月 ベルモントステークス(G1) 2着 ダート2400m
1989年7月 スワップスステークス(G2) 2着 ダート2000m
1989年9月 スーパーダービー(G1) 1着 ダート2000m
1989年11月 ブリーダーズカップクラシック(G1) 1着 ダート2000m
1990年6月 カリフォルニアンステークス(G1) 1着 ダート1800m
1990年6月 ハリウッドゴールドカップハンデキャップ(G1) 2着 ダート2000m

通算競走成績は14戦9勝で、連対を外したことがありませんでした。

サンデーサイレンスが日本に輸入された経緯

サンデーサイレンスは、1989年にアメリカ年度代表馬に選ばれるほどの活躍をしましたが、引退後の種牡馬入りに際して、アメリカ国内ではあまり高く評価されなかったことが、日本への輸入の大きな要因となりました。

アメリカでの評価の低さ

サンデーサイレンスは競走成績としては素晴らしいものでしたが、種牡馬としての評価はアメリカでは低く、以下のような理由がありました。

血統が地味だった

父のHalo(ヘイロー)は名馬を輩出していたものの、アメリカではより人気のある種牡馬(ミスタープロスペクターやノーザンダンサーの系統)がいたため、それほど評価が高くありませんでした。

母Wishing Wellは、そこまで名の知れた牝馬ではなく、母系の魅力も乏しいと見なされました。

走り方が独特だった

サンデーサイレンスは走る際に独特のフットワーク(前脚を高く上げるフォーム)を持っており、これがアメリカのダート競馬には不向きと考えられました。

アメリカではイージーゴアの方が人気だった

現役時代のライバルであるイージーゴア(Easy Goer)がより良血で、種牡馬としての人気も高かったため、アメリカの大手牧場はイージーゴアを優先的に種牡馬として迎え入れました。

日本の社台グループによる獲得

サンデーサイレンスがアメリカ国内で人気がなかったのに対し、日本の社台グループ(特に社台ファームの吉田善哉氏)はこの馬の能力と血統的な可能性に注目していました。

社台グループの吉田善哉氏は、当時から欧米の血統に詳しく、アメリカの人気血統とは異なる価値を見出していました。

彼は「サンデーサイレンスは日本の競馬場に合う」と考え、積極的に交渉を進めました。

当時、アメリカではサンデーサイレンスの種牡馬入りの売却価格は数百万ドル(約5億円)程度とされていましたが、日本の社台グループはそれを上回る金額で購入しました。

結果として、1991年に日本の社台スタリオンステーションで種牡馬として供用されることが決まりました。

日本での種牡馬としての影響

サンデーサイレンスは日本競馬の血統を大きく変えました。

彼の血統は現在の日本競馬界の主流となり、多くのGI馬がその血を引いています。特にディープインパクトの系統は世界的にも成功を収めています。

2002年に蹄葉炎の悪化により死亡しましたが、その血統は今も日本競馬界の中心にあり続けています。

主なサンデーサイレンス系の種牡馬

サンデーサイレンスは種牡馬として大成功しており、後継馬がたくさんいます。

その中から代表的なサンデーサイレンス系の種牡馬を紹介します。

ディープインパクト

サンデーサイレンス
(父)
Halo
(父父)
Hail to Reason(父父父)
Cosmah(父父母)
Wishing Well
(父母)
Understanding(父母父)
Mountain Flower(父母母)
ウインドインハーヘア
(母)
Alzao
(母父)
Lyphard(母父父)
Lady Rebecca(母父母)
Burghclere
(母母)
Busted(母母父)
Highclere(母母母)

主な勝鞍は、無敗クラシック三冠、ジャパンカップ、天皇賞春、宝塚記念、有馬記念です。

ディープインパクトは、2007年から社台スタリオンステーションで種牡馬として供用されました。

初年度から大成功を収め、日本の競馬界に大きな影響を与えました。

代表産駒は、コントレイル、キズナ、ジェンティルドンナです。

ハーツクライ

サンデーサイレンス
(父)
Halo
(父父)
Hail to Reason(父父父)
Cosmah(父父母)
Wishing Well
(父母)
Understanding(父母父)
Mountain Flower(父母母)
アイリッシュダンス
(母)
トニービン
(母父)
カンパラ(母父父)
Seven Bridge(母父母)
ビューバーダンス
(母母)
Lyphard(母母父)
My Bupers(母母母)

ハーツクライは、日本競馬においてディープインパクトの最大のライバルの一頭として活躍し、国際G1でも勝利しました。

主な勝鞍は有馬記念、ドバイシーマクラシックです。

種牡馬としては、2007年から社台スタリオンステーションで種牡馬入りし、ディープインパクトとは異なるパワー型のサンデーサイレンス系として、異なるタイプの産駒を多く輩出しています。

代表産駒は、ドウデュース、ジャスタウェイ、リスグラシューです。

ステイゴールド

サンデーサイレンス
(父)
Halo
(父父)
Hail to Reason(父父父)
Cosmah(父父母)
Wishing Well
(父母)
Understanding(父母父)
Mountain Flower(父母母)
ゴールデンサッシュ
(母)
ディクタス
(母父)
Sanctus(母父父)
Doronic(母父母)
ダイナサッシュ
(母母)
ノーザンテースト(母母父)
ロイヤルサッシュ(母母母)

ステイゴールドは、競走馬時代の「勝ち切れない」イメージを覆し、種牡馬として大成功しました。

主な勝鞍は、香港ヴァーズ、ドバイシーマクラシック(当時G2)です。

特にオルフェーヴルとゴールドシップという超個性派の名馬を輩出し、日本競馬に独特の血統を築いたといえます。

代表産駒はオルフェーヴル、ゴールドシップ、ナカヤマフェスタです。

ダイワメジャー

サンデーサイレンス
(父)
Halo
(父父)
Hail to Reason(父父父)
Cosmah(父父母)
Wishing Well
(父母)
Understanding(父母父)
Mountain Flower(父母母)
スカーレットブーケ
(母)
ノーザンテースト
(母父)
Northern Damcer(母父父)
Lady Victoria(母父母)
スカーレットインク
(母母)
Crimson Satan(母母父)
Consentida(母母母)

ダイワメジャーは、短距離・マイル路線のエース種牡馬として活躍しました。

主な勝鞍は皐月賞、マイルCS、安田記念です。

ディープインパクト産駒が中距離以上の活躍が多いのに対し、ダイワメジャー産駒は短距離・マイルに特化した種牡馬として確固たる地位を築いたといえます。

代表産駒は、コパノリチャード、アドマイヤマーズ、レシステンシアです。

アグネスタキオン

サンデーサイレンス
(父)
Halo
(父父)
Hail to Reason(父父父)
Cosmah(父父母)
Wishing Well
(父母)
Understanding(父母父)
Mountain Flower(父母母)
アグネスフローラ
(母)
ロイヤルスキー
(母父)
Raja Baba(母父父)
Coz o`Nijinsky(母父母)
アグネスレディー
(母母)
リマンド(母母父)
イコマエイカン(母母母)

現役時代は、無敗で皐月賞を制覇しましたが、屈腱炎を日本ダービー前に発症したため、引退をしました。

主な勝鞍は、皐月賞、弥生賞です。

アグネスタキオンは2002年から種牡馬入りし、短い供用期間にも関わらず、リーディングサイアーを獲得するほどの大成功を収めました。

もし長生きしていれば、ディープインパクトと並ぶほどの大種牡馬になっていた可能性が高いとも言われています。

代表産駒は、ダイワスカーレット、ディープスカイ、ロジックです。

まとめ

サンデーサイレンスはアメリカで生まれ1989年にはアメリカ年度代表馬に選出されました。

しかし、アメリカでは血統背景や歩様模様などで種牡馬としての評価が低かったことが、日本への輸入の大きな要因となりました。

日本で種牡馬として大成功を収め、ディープインパクトをはじめとする名馬の父として影響を与えたといえます。

サンデーサイレンスの血統は、今後も日本競馬の重要な柱であり続けるでしょう。

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